旅の絵日記:2018年イタリア、スロヴェニア、クロアチア 9

9.九日目(9月22日(土))、ヴァラジュディン、ザグレブ

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九日目旅程図:ヴァラジュディン→ザグレブ

 食堂のある上まで行くと、昨日行ったコズイヤク湖らしい大きな湖が見える。半地下の食堂で朝食を済ませチェックアウト。支払う段になってクレジットカードが使えず現金のみというので、手持ちをかき集めて何とか間に合ってほっとする。9時30分ホテル出発。

ヴァラジュディン

 12時45分、ヴァラジュディンの駐車場に着く。ヴァラジュディンはザグレブとウイーン、ザグレブとブタペストを結ぶ交通の要衝として栄えた町。バロック様式の建物がいっぱいあり、別名バロックの都と呼ばれる。

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ヴァラジュディン中心部           マンホールの蓋             聖フランシスコ教会

 駐車場を出て黒い石畳の道を進む。マンホールの蓋のデザインもなかなか。突き当りを左に折れると聖フランシスコ教会。ここにもグルグール・ニンスキ像が立っている。

 回れ右して進む。この道は幅も広く立派な建物が立ち並んでいる。壁に日時計のあるのもある。右手に美術館が見えてくるとトミスラヴ王広場の南端。美術館の先には大聖堂がある。17世紀中頃に建てられた初期バロック様式の教会。バロック音楽祭のメイン会場として利用されている。

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壁の日時計                   美術館                     大聖堂

 トミスラヴ王広場の北端には市庁舎が建っている。1523年の創建だが1776年の大火によって消失、その後の改築によって現在の姿になった。土曜日には衛兵交代式が行われるらしいが終わった後だった。

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「ヴァラジュディン、トミスラヴ王広場」 F0 水彩

 市庁舎の横の道を進み、しばらくして左折すると間もなくセルマゲ宮殿に出る。1759年創建の貴族の館。現在は市立博物館の美術部門として利用されている。前の広場はほとんどカフェのテラスで占められている。広場のすぐ近くに観光案内所があるが閉まっている。その前を過ぎて突き当たって右折して進むとスターリ・グラード。ヴァラジュディン最古の建物で、もともとは13世紀に砦として建てられた。16世紀には周囲に堀が巡らされたルネッサンス様式の城となり、この地方の防衛拠点として活躍した。現在は堀はなく土塁が残っている。市立博物館の文化・歴史部門として利用されている。

 スターリ・グラードを出てまっすぐ進むと左手にヘルツエル宮殿がある。1795年建造のバロック様式の宮殿で、現在は市立博物館の昆虫部門として利用されている。14時10分駐車場出発。

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セルマゲ宮殿               スターリ。グラード              ヘルツエル宮殿

ザグレブ

 15時35分、中央駅近くのエスプラナーデ・ザグレブ・ホテルにチェックイン。

 ザグレブクロアチアの首都。丘の上に建てられたカプトルとグラデツという二つの中世都市が起源。17世紀には二つの町を合わせてザグレブと呼ぶようになっていたが、正式に合併したのは19世紀になってからのこと。以来町は急速に発展した。

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ザグレブ中心部                 中央駅                トミスラヴ王広場

 16時15分観光に出発。ホテルを出てすぐの所にトミスラヴ王広場があり、南側正面に

中央駅がある。広場の南端に中央駅に面してクロアチアの初代国王トミスラヴの騎馬像が立っている。広々とした芝生とよく整備された花壇が目を引く。北側中央に芸術パヴィリオン。その北側にはストロスマエル広場があり、一角が遊園地のようになっていてロデオ・マシンを楽しむ人が見られる。広場の北の端にストロスマエル美術館があり、緑豊かな並木道のあるズリンスキ広場に続いている。広場の北側の道路で絵を描いている人がいて驚いた。

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芸術パヴィリオン             ストロスマエル美術館             ズリンスキ広場

 広場の西側のプラシュカ通りを北に進むと市街の中心で大勢の人で賑わうイエラチッチ総督広場に出る。広場は17世紀から形作られ、ザグレブ発祥の地でもある。「ザグレブ」とは「堀」「溝」という意味で、広場やイリツア通りが「溝」に当たるというのが地名の由来と言われる。広場にはステージが設けられコーラスをやっていた。ここから北が旧市街。

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道路に絵を描く人             イエラチッチ総督広場            聖母被昇天大聖堂

 広場東のバカチュヴァ通りを上ると右手に聖母被昇天大聖堂がある。13世紀から18世紀にかけて建てられた。現在の外観は1880年地震後に修復されたもので、ネオゴッシク様式を取り入れて再建された。大聖堂広場には高い円柱の上に聖母像が立つ。

 大聖堂から西に進み、聖マリア教会を通り過ぎてラディチュヴァ通りに出、北に向かって坂を上る。左手に石の門がある。グラデツは中世には自由都市として城壁で囲まれていて、石の門は数少ない出入口の一つだった。当初は木造だったが18世紀に石で固められた現在の姿となった。傍らには聖ミカエルの騎馬像がある。ここから入る予定だったが閉まっていて入れない。仕方なくその先のザグレブ博物館まで行ってグラデツに入る。

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聖マリア教会                  石の門                聖マルコ教会内部

 ザグレブ博物館を過ぎて2本目の通りを南下すると国会議事堂と聖マルコ教会の間を抜けて聖マルコ広場に出る。広場の西側には首相官邸がある。聖マルコ教会は美しい屋根が特徴で、大きく二つの紋章がデザインされている。左はクロアチア王国、ダルマチア地方、スラヴォニア地方を表す紋章、右はザグレブ市の紋章。教会そのものは13世紀からあったと言い、現在の建物や屋根に施された紋章は、1880年に改修されたときに新たに加えられた。広場周辺には昔の民族衣装を着けた人が大勢いて、観光客と一緒に写真撮影に応じたり、ガイドのサービスを行っていた。

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ザグレブ、聖マルコ教会」 F0 水彩

 教会正面の聖キリル&メトディウス通りを南に下り、ナイーヴアート美術館の前を通って左手の教会のある広場に出る。丁度結婚式があるらしく、父欧亜が花嫁を教会へ誘導している姿が見えた。この先からは聖母被昇天大聖堂と聖マリア教会の塔が旧市街の赤い屋根越しに見え、美しい風景。さらに進むとストリートペインティングに囲まれた広場があり、なかなか面白い。緑多い公園の中の坂を下ってイエラチッチ総督広場に戻る。マサコリヴァ通りのレストランで夕食を摂り、ホテルに戻る。

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民族衣装を着けサービスする人々     ナイーヴアート美術館             マサリコヴァ通り

 

(つづく)