2022年8月越後妻有トリエンナーレ 1

はじめに

 「越後妻有、大地の芸術祭」は、今までは7~9月夏季に開催していましたが、第8回目の今年は4月29日~11月13日までの長期間となっており、春、夏、秋の3季に分かれて行われます。今回は7月下旬から9月上旬の夏季の展覧に行ってきました。

 春季ではまだ展示されていなかった新作もほぼ出そろったようです。3泊4日と時間的に多少余裕があることと、妻有では宿が取れず、塩沢、石打、湯沢と南魚沼地方の宿となったこともあり、この地方の観光スポットもあわせて回ることが出来ました。

 先刻ご承知でしょうが、図が小さくて見にくい時は画像の上にポインターを置き左クリックしてください図が拡大されます。

1.一日目(22年8月19日(金))

 東戸塚6時52分発で東京へ。弁当屋「祭」で焼き鯖寿司、お握りを買う。東京7時4分発とき344号で8時13分越後湯沢着。車中で朝食。駅近くでレンタカーを借り、8時40分出発。湯沢ICから関越自動車道に入り、塩沢・石打ICで降りる。

塩沢宿牧之通り

 9時10分塩沢宿牧之通りの駐車場に着く。塩沢宿は三国街道沿いの宿場町として栄え、特産品である越後上布重要文化財)や塩沢紬(伝統工芸品)などの織物の産地として発展して来た。牧之通りは雁木の連なる町並みを修景により蘇らせたもので、平成23年に都市景観大賞を受賞している。電線の地下化ですっきりした気持ちの良い空間になっている。通りの名前は江戸時代のこの地の商人で「北越雪譜」の著者として有名な鈴木牧之に因む。駐車場のそばに鈴木牧之記念館がある。9時40分出発。

塩沢宿牧之通り               修景された町並み              鈴木牧之記念館

雲洞庵

 9時45分雲洞庵に着く。今から1300年前奈良時代内大臣藤原房前公の母が出家してこの地に庵を結び、霊泉で沢山の病人を救った。その没後、房前公は跡地に尼僧院を建立し、以来女人救済の庵寺として深く信仰されてきた。その700年後室町時代関東管領上杉憲実公が曹洞宗雲洞庵を開創、日本一の庵寺、越後一の寺と言われている。

 駐車場から黒門、赤門を経て参道を進む。参道には法華経が一字一石にしるし深く埋められ、古来「雲洞庵の土踏んだか」と言われ、踏みしめてお参りするとご利益があるとされる。杉並木が見事。

雲洞庵配置図                左:赤門、右:黒門                  参道

 参道の突き当りに香炉がある。右に折れて庫裡から入る。庫裡の土間の突き当りに「長生きの水」が湧き出ている。

参道の突き当りに香炉               本堂                   長生きの水
本堂仏壇                     座禅堂                   本堂正面

 本堂・開山堂・座禅堂・客殿・宝物殿の拝観を終え、10時30分出発。県道75号から魚沼スカイラインを経て清津峡方面を目指す。

魚沼スカイラインから南魚沼市方向                            中里エリア地図

中里エリア

 11時40分、N072磯辺行久記念越後妻有清津倉庫美術館(2015年旧清津峡小学校改修)に着く。N082磯辺行久の世界ー記号から環境へ:磯部行久、2018年:1950年からの仕事の全貌を紹介する常設展。N086大地のコレクション展2022:芸術祭参加作家の多様な作品展開を紹介する企画展。N085プールの底:joylabo(米)、2022年:観客はプールの底にある、翼の生えた黄色いピアノを弾くことができる。木の枝には、観客がピアノの音を聞いて見た白日夢を描いて結び付けることができる。12時20分出発。国道363を進む。

N082磯辺行久               N086岡崎乾二郎                  N086藤堂
N086川俣正            N086 左:柳幸典、右:中原浩大           N085プールの底

 12時30分旧高道山小学校跡に着く。N071田の玉/白羽毛:青木野枝。2015年:鉄でできた輪をつなぎ合わせ、柔らかな玉が上昇していく様を表現した。N017LIKE SWIMMING:白羽毛集落の子供たち+青木野枝:ガイドブック掲載の作品とは違っている。以前にはなく新しく設置されたものと思う。12時40分出発。先へ進む。

N071                       N017                     N017

 12時45分中里中学校の鳥居の脇に着く。N010日本に向けて北を定めよ(74°33’2”):リチャード・ウイルソン(英)、2000年:ロンドンにある作家の自宅を元に構造と方位を保ったまま妻有に移動させた。かけ離れた2つの土地を空間的に関係させた試み。12時50分出発。引き返して清津川を渡り、県道784号を南に進む。

N010                     N019入り口           N019ブランコのある広場
N019ベンチの上の小石を並べた絵        N019東屋                   N019広場

 12時55分釜川橋脇に着く。N019ポチョムキン:カサグランデ&リンターラ建築事務所(フィンランド)、2003年:コールテン鋼の壁で囲まれた、遊具や東屋、ベンチなどがある公園。ベンチには白い小石で絵や文字が書かれていた。13時5分出発。先に進み、途中で清田山方面の道に入る。

 13時10分、田んぼ道にある作品の入り口に着く。N056カクラ・クルクル・アット・ツマリ:ダダン・クリスタント(インドネシア/豪)、2009年:竹で作られた風車を水田に設置。バリ島では日常的な風景を妻有で再現した。風車が回ると木琴のように音を出す。人形は風車と連動して動くようになっているが、ほとんどが仕掛けの糸が切れて動かなくなっている。13時20分出発。

N056                 N056風車と音の出る仕掛け                 N056

 13時25分、清田山キャンプ場近くの駐車場に着く。山道を歩いて作品のある場所へ。N083木地師ミナライゴヤ:益田啓介、2022年:週末にスプーン制作ワークショップ開催予定。9月にはポチョムキン周辺で行商予定とのこと。戻りは近そうなので清田山キャンプ場へ降り、車を回してもらう。キャンプ場は管理棟の他、ロッジ3棟、炊事場がある。テントを張れる広い芝生の広場があり、眼下に清田山集落の棚田の風景が広がる。13時55分出発。県道784号に戻り、さらに先を目指す。

N083杉の葉で作った月の輪熊の像がある   N083テントの中の作業場       N083テントの中の作業場
清田山キャンプ場のロッジ         芝生のキャンプ場              清田山集落の棚田

 14時20分、名勝・天然記念物の田代の七ツ釜がある七ツ釜公園に着く。N021スネークパス:アン・グラハム(英)、2003年:七ツ釜キャンプ場を縦断する遊歩道。昔、欲張って神様との約束を破って七ツ釜の大蛇に飲み込まれたという、七ツ釜の大蛇伝説を表現している。2003年に来た時はテーブル付きのベンチなどがあってもっと整備されていたように思うがその面影はない。14時30分出発。来た道を引き返し、国道117号を経由し、津南から国道405で大源寺高原を目指す。

N021大蛇をかたどったタイル張の小道   N021所々道が隆起している                N021

松之山エリア

 15時20分道路わきの作品に着く。Y068掃天帯地ー天水越えの塔ー:山本健史、2009年:高さ8m、幅1.6mの鉄塔の中に、地元の土を混ぜた陶の作品を組み込んだ。

松之山エリア地図                 Y068                      Y002

 15時50分、大源寺高原キャンプ場に着く。2000年に来た時と全然印象が変わっていて作品を探すのに一苦労。Y065 Sky Catcher 09:堀川紀夫、2009年:空の一部を巨大な鏡に映すステージを設置。雲がないと一面の青空。Y002分岐点だらけの庭:ケンデル・ギール(南ア)、2000年:有刺鉄線のようなものに囲まれた檻は、かっての南アフリカのアフリカ人居留地を思い出させる。Y006:ジミー・ダーハム(米)、2000年:ドアや換気口など家の断片により、そこにかって家があったことを暗示させる。Y005大地と共にー記憶の風景:植松奎二、2000年:白い花の咲く木と荒々しい割石、自然石の均衡。16時20分出発。道を引き返し、県道80号を経由して森の学校キョロロを目指す。

Y065                       Y006                      Y005

 16時45分、森の学校キョロロの駐車場に着く。キョロロの脇を通って山道を歩く。Y111森の精:クリスチャン・ボルタンスキー(仏)、2022年:写真に写る人々の「所属」をなくし、森の中に新たな魂を表そうとしている。見る人を写真の目が見ているようにするこの作品は、鑑賞者を作品の中に引き込むインスタレーションを実践する作者の哲学が反映されている。17時出発。

Y111                        Y111                     Y111

 国道351,国道117,県道334を経て大沢トンネルを潜り塩沢へ。くねくねと曲がる山道を走っているうちに気分が悪くなったが、普通の道に出て少し楽になりホッとする。
 塩沢の「いろりあん」泊。里山の旅館。おばんざいが主。蕎麦掻の揚げたもののなめこ汁が美味しかった。写真の他とろろが出た。

最初に出されていた夕食    蕎麦掻のなめこ汁      イワナの塩焼き            澄し汁

 

(つづく)