3.三日目(8月21日(日))
朝食を済ませ、8時30分ホテル出発。湯沢駅のサービスセンターで検温を済ませ9時出発。湯沢ICから関越道に入り小出ICで降りる。
西福寺
9時30分、西福寺の駐車場に着く。室町時代後期1534年開山の曹洞宗の寺。越後の名匠・石川雲蝶の天井の彫刻で有名な開山堂は幕末1857年建立。赤門から入る。門の前左右の火除け地蔵、「禁軍酒」の碑は雲蝶作。次の白文門の門扉の彫刻、左右の仁王は開山堂に移されているが雲蝶の作。白門を入った正面に本堂、左手に開山堂がある。開山堂の唐破風向拝の彫刻は雲蝶作。右に折れると右手に雲蝶の像。
その先左手に庫裡の入り口がある。方丈の襖絵も雲蝶作。開山堂には天井彫刻の他、欄間の透かし彫り、仁王像など雲蝶作の彫刻や鏝絵が溢れている。
駐車場脇の開運堂で辛納豆、麹納豆を買う。10時10分出発。
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十日町エリア
10時40分旧小貫集落に着く。T406昔はみんなたのしかった 文化人類学手法によるフィールド・ワークから:礒辺行久、2022年:小貫集落は、平成10年の中越大地震が契機となり離村が相次ぎ、同19年に閉村に至った。集落内の小道を黄色いポールで辿り再現する。巡ることで、往時の暮らしや社会情勢とのかかわりについて考える。11時出発。
11時10分旧枯木又分校近くの養鶏場に着く。T402環の小屋パラダイス:吉野央子、2022年:ユニークな鶏舎で鶏を育てるプロジェクト。採れた卵は旧枯れ木又分校で売っている。11時15分出発。
11時15分旧枯木又分校に着く。T427枯木又プロジェクト:京都精華大学、2009年。T268 2022大地の記憶:内田晴之、2009ー22年:2009年に円形の車田を作り、周りに稲穂を干すためのクヌギを植えた。2022年は米の栽培と共にビオトープを展開する。クヌギがずいぶん大きく育っている。T401析出する光:青木麻里絵、2022年:枯木又集落周辺の季節の移ろいに着目した。シルクスクリーン技法を用いた作品を展示。T408夕方の校舎:劉李杰、2022年:カラーフィルムを窓に貼り夕方の雰囲気を作る。T400たましいのすがた/万物成長:方雅婷、2022年:地元の人と交流し、この土地の1年の移り変わりと人々の暮らしをテーマにした絵画を描く。11時35分出発。
12時25分高靇神社の駐車場に着く。T407ここにおいて「縄文の時と共に」: 景山健、2022年:「縄文からの壮大な時の流れの中で、地域の自然に今も感じられ息づいていること。そんな時間に参加していきたい」との思い。国宝火焔式土器出土の笹山、縄文の里はすぐ近く。12時35分出発。
下条、旧上新田公民館に着く。T201妻有田中文男文庫/天の光、知の光ーⅡ:羹愛蘭(韓)、2009年:大工棟梁で木造建築の研究も行った田中文男の蔵書を収容した地域文庫。そこに7色に光る本のインスタレーションを制作した。2階にT428農具の時間:川口龍夫、2022年:黄色一色の展示空間に吊られた農具は、地域の方が実際に振るっている姿をトレースし制作された。隣に火焔型土器が多数出土した野首遺跡がある。13時10分出発。
13時30分、下条温泉「旧みよしの湯」に着く。T430誤山を眺める:Mapped to the Closest Address(日・コロンビア/独)、2022年:ガイドブックにあるものとは違うようだ。葛の蔓を使った造形とTVの映像を見ながらヘッドフォンで聞く仕掛けがあった。2階にT431意識と自然の探索:井橋亜璃沙、2022年:十日町の豊かな自然にインスピレーションを受けたテキスタイルプリント。時代によって変化する十日町の自然の姿を組み合わせ、現実には存在しえないインパクトのある非現実的な別世界を作り出す。13時50分出発。
川西エリア
13時55分仁田農村公園に着く。K108あの山この山:長谷川仁、2022年:越後三山の山肌の「形」を取って祭りの際に運行する「山車」を制作。希望者に運行させる。丁度田んぼの中を運行中だった。
14時5分、仁田の現地に着く。K019この大地と空の間:西野康造、2000年:直径8mの鉄の輪が、重力から解放され宙に浮くように見える彫刻。
14時15分、新町新田の空き地に着く。作品までは少し歩く。K109大地を縫う:岩城和哉+東京電機大岩城研究室、2022年:窪地の上空に、段丘平坦部の地表面と連続するように水平にワイヤーを張り、かってそこにあったはずの段丘面を再現する。上空から見ると、それは段丘の亀裂の縫い目のように見える。吊るされた造形物は縫物用の指サックを模している。なかなか面白い。
会場である千手の民家の駐車場に着く。K113あめのうた:小松宏誠、2022年:空中に大量の水が浮かび、長い時間を経て地上に降り注ぐまで、壮大な旅を経て生まれた雨を、プラスチックで制作された小さなオブジェで表現。吊り下げられたオブジェは、回転して周囲の環境を映し出す。2階にも展示がある。14時55分出発。
15時15分、高倉十二社神社へ通じる田んぼ道の脇の空き地に着く。神社への入口を示す幟旗が立っている。K112高倉写楽ー還るところー:力五山、2022年:神社への道の脇には高倉住人の顔写真や四季の行事を描いた看板が立っている。鳥居から本堂に導くため、複数の鳥居を設置、その上部に高倉や住民にまつわる作品、画像をプリントしてのれんのように取り付ける。本殿の中では映像作品を上映する。15時30分出発。
15時50分、小脇に着く。K111小脇プロジェクト:丹治嘉彦+橋本学、2022年:住宅廃材等を材料とした「自分が住みたい街」をテーマとした模型を、約400人の子供たちにワークショップで作ってもらい、それらを集積して作品化する計画。
16時5分、中仙田の作品脇に着く。K029 20 minute walk:春日部幹、2003年:平地の少ない地域の水田風景である「瀬替え」と「棚田」を1/10スケールで再現。「瀬替え」とは大きく蛇行する河川の括れたところで水路を付け替え、元の河川跡を水田とするやり方。20分ほど歩くと現実の「瀬替え」と「棚田」を見ることが出来る。
16時20分、ナカゴグリーンパークの駐車場に着く。K110里山アートどうぶつ園ーどうぶつたちのソーシャルディスタンス:若手作家25人による動物彫刻の競作。大きな芝生の広場に動物の彫刻が並んでいる。K021ベリー・スプーン:トウー・ザ・ウッズ(日、オーストリア)、2003年:世界各国のベリー30種以上が植えられ、ベリーを育てることで人々がかかわりあえる果樹園を作る。新しくベーリーを摘む人形が設置されていた。17時出発。
十日町エリア
17時15分越後妻有里山現代美術館MonETの駐車場に着く。T421physis:滝井裕介、2022年:あらゆる生命にとって必要であり、地球上のどこにもとどまらずに旅する「水」を核に、その記憶と記録を壁画にした。「physis」とは「言葉よりも前の、人が主観的に考える自然という見方から独立した自然」のこと。T420霧神楽:中谷芙二子、2022年:17時30分から18時の間、霧を用いた「霧の彫刻」がMonET中央の回廊に囲まれた大きな池を舞台に制作される。T221ゴースト・サテライト:ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー(スイス)、2022年:越後妻有で集めた物で制作した人工衛星に見立てたオブジェ。5月に見た時よりかなり変わっていた。1階にウクライナにかかわる絵が展示されていた。
近くにあるはずのT422琴線:富田紀子、2022年:を探したが見つからず。
18時、十日町の「キッチン愚留米」で夕食。アラカルトをいろいろ取って食べたがどれも美味しかった。写真を撮り忘れたのが残念。居酒屋感覚。
国道253で松代へ行き、県道12を経て19時30分蓬平の集落に着く。D102ファウンド・ア・メンタル・コネクション 3 すべての場所が世界の真ん中:マーリア・ヴィルッカラ(フィンランド)、2003年:山笠の裏側にライトを付け集落の家々の壁に設置。夕暮れに明かりが灯され特別な雰囲気が醸し出される。とは言え暗すぎて歩くのにおっかなびっくり。夜景を見る作品で今までこれなかったが、今回十日町で夜になったので出かけてみた。
来た道を引き返し、20時、越後妻有文化ホール「団十ろう」の駐車場に着く。T390光り織:高橋匡太、2016年:110mの庇を彩る光の作品。光のプログラムは月ごとに変化し、季節の移ろいを感じさせる。
20時50分湯沢温泉、ナスパ・ニューオオタニ到着。スイーツの立派な部屋。
(つづく)