旅の絵日記:2012年フランス 6

6.六日目(7月11日(水)ゴルド、セナンク修道院、サン・サトウルナン・レ・ザプト、ヴァレンソール高原、ヴェルドン渓谷、トリガンス

六日目旅程:→ゴルド→セナンク修道院→サン・サトウルナン・レ・ザプト→ヴァレンソール高原→ヴェルドン渓谷→トリガンス

 朝寝坊して朝食前のスケッチできず、8時からの朝食はプールサイドのテラス席で摂る。良いお天気で気持ちがいい。

 D27、D5、D99、D2経由でゴルドを目指す。

ホテル外観             プールサイドで朝食        正面右から二つ目の部屋に泊まった

ゴルド

 プロヴァンスのリュベロン地方自然公園でも特に人気の観光地。小高い丘の頂上にある城を中心に階段状に石造りの家々が連なる幻想的な天空の村。

 右前方にゴルドの村の魅力的な風景が見えてくる。ビューポントで車を停めて写真を撮る。パステル画はここからの風景を描いたもの。

ゴルド地図                                  「ゴルド」 F10 パステ 

 近くには小石を積み上げた塀や建物の廃墟が見られる。ヴィラージュ・デ・ポリという17世紀初めに開かれた集落跡が近くにあるらしい。土地を開梱した際に出た小石を積み上げた塀や住居が残っているらしい。

 9時10分、駐車場に着く。坂道を進むと城前広場に出る。ゴルド城❶は1031年にはすでにこの場所に城があったと記録が残っている。11世紀に城塞化され、1325年に拡大、ルネッサンス様式で再建築された。現在は博物館になっている。村の入口に城前広場に面してペニタン・ブラン礼拝堂➌が建っている。

小石を積んだ建物と塀の廃墟        城前広場と城館            ペニタン・ブラン礼拝堂

 城館とペニタン・ブラン礼拝堂の間を進むと城館の入り口のあるガンティ・パンタリ広場。ここが村で一番賑やかなところ。広場には1954年まで村で唯一の水源だった泉❷があり、飲料水として使用され、洗濯することは禁止されていたとのこと。城館の中庭には入ったが、博物館はパス。

城館                  ガンティ・パンタリ広場         ガンティ・パンタリ広場
城館中庭                 城館への入り口階段                 広場の泉

 泉の先から入り、サン・フィルマン教会の脇を通って突き当たったサヴォイ門通りを左折して進むと右手にサン・ジャック礼拝堂牧師館❺がある、突き当りを左折して教会通りを登りサン・フィルマン教会❹に入る。

サン・フィルマン教会          サヴォイ門通りを        前方:サン・フィルマン教会鐘楼

 サン・フィルマン教会は13世紀に建てられた教会の基礎の上に18世紀に再建されたもの。鐘楼は14世紀に建てられたもの。教会内部は色彩豊かに装飾されている。

左手:サン・フィルマン教会入り口       教会身廊                 教会入り口方向

 教会を出て、教会前の道を下る。左側はサン・フィルマン館になっている。18世紀、村の経済を支えたのはオリーブ・オイルの生産で、サン・フィルマン館の地下室❽には当時の作業場があり、使用されていた石臼が保存されている。

 狭い道の前が開けるとテラス越しにリュベロンの自然が一望に見渡せる。ここがビューポイントとなっている。坂を下りきって右に進むとテラスで、一番奥にテラスの劇場があり、8月には演劇祭が行われる。

右手:サン・フィルマン館の塀        テラス越しの眺め               テラスの洞窟
テラスの劇場                テラスの劇場            アンドレ・ローテェ通り

 テラスを出てアンドレ・ローテェ通りを上る。右手は崖っぷちの路でしばらく眺望が続く。そのうち両側に家屋が建ち並ぶ。住宅らしく植え込みの花がきれい。崖上に建つ家はにはサンルームがあり、眼下に広がる眺望を楽しんでいるようだ。

アンドレ・ローテェ通り        民家のアプローチ          アンドレ・ローテェ通りの民家

 左に折れてバプティスタン・ピッカ通りに出て、左に進む。かなり広い通りで商店などが建ち並びメイン・ストリートのようだ。食料品の店で土産にオリーブ・オイルを買う。先に進むとガンティ・パンタリ広場に出、城館の写真を撮ってから駐車場に戻る。

 10時出発。D177経由でセナンク修道院へ向かう。

バプティスタン・ピッカ通り           城館                       城館

セナンク修道院

 1148年に創設され、1150年から修道院となった。一面ラベンダー畑の中に佇むロマネスク様式の修道院として有名。ラベンダー畑は1970年代になってからとのこと。

 10時50分に着いたが大変な賑わいで駐車場に入れず、写真撮影だけして修道院の見学はパス。

セナンク修道院                     「セナンク修道院、ラベンダー畑」 F10 パステ

  D177、D4、D2経由でサン・サトウルナン・レ・ザプトへ向かう。途中、一面の麦畑を見るとフランスが農業国だということがよく分かる。木陰を見つけて一休み。軽い昼食を摂る。

ラベンダー畑で                 麦畑                   木陰で一休み

サン・サトウルナン・レ・ザプト

 レ・ザプトはアプトの近くの意で、アプトの北約10kmにある小さな村。城址と風車が残る。

 町に入って美しい町並みを眺めながら進むとやがて教会の前に出る。16世紀にできた教会の跡地に1858~62年に建設されたもの。この辺りが村の中心。

サン・サトウルナン・レ・ザプトの町並み        教会                    教会

 教会の脇の坂道を上ると城址に着く。城壁や建物の廃墟が残るだけ。村と周囲の風景が一望に見渡せる。上の方へ行くと11世紀建造、ロマネスク様式のカストラーレ礼拝堂があったようだがそちらへは行かず、ダムへ行く。最初のダムは1763年に建設されたが、氾濫により村の一部が被害を受けた後、1835年に嵩上げと補強が行われた。しかし安全でないと判断されたため、最初のダムの下流に新しいダムが建設され、1902年に完成した。水位が下がると最初のダムの頭が露出するとのことだが、写真で水面の色が変わっているところがそうなのだろう。写真で左奥に見えるのがカストラーレ礼拝堂らしい。

前方:城址入口               前方:中の城門                教会見下ろし
右手:中の城門                ダムへの出口                 ダムと城址

 駐車場に戻り風車の丘へ行く。ここから村や城址が良く見える。風車は17~18世紀に製粉用に建てられたもので、もともとは4基あったが現在は2基のみ残っている。風車の羽根まで残っているのは1基のみ。見学に来たのか、子供たちが木陰に群れて話を聞いていた。

ダム                       風車            風車のある丘から村と城址
見学に来た?子供たち                「サン・サトウルナン・レ・ザプト、風車」 F0 水彩
ヴァレンソール高原

 D943、D95、D63、D907、D8と進むと一面のラベンダー畑で有名なヴァレンソール高原を通る。一面のラベンダー畑は壮観。観光客用に展望台も設けられている。なだらかにうねる高原にラベンダー、牧草、麦畑などの色彩豊かな取り合わせの風景も美しい。水彩スケッチは一面のラベンダー畑の風景を描いた。道端に地元の直売所のような売店があり、土産にラベンダーオイルを買う。

ラベンダー畑と右手:展望台        ヴァレンソール高原                一面の麦畑
「ヴァレンソール、ラベンダー畑」 F0 水彩                         道端の売店

ヴェルドン渓谷

 D952を進むとムスティエ・サント・マリーの傍を通る。ここがヴェルドン渓谷の西の玄関口と言われる「フランスの最も美しい村」認定の村。村の背後の断崖の間に225mの鎖が掛けられ星の飾りがついている。伝説によると、地元生まれの騎士が十字軍に参加、捕虜となり、故郷に帰れたら星を吊るすと神に誓いを立てた。解放され帰国後、その地階を守ったと言われている時間の関係で村の見学はパス。

ムスティエ・サント・マリー      ムスティエ・サント・マリー       断崖の間に架かる星の飾り

* 画像の上にポインターを置きクリックして拡大してみてください。)

 D57を進むとサンテ・クロワ湖が見えてくる。ヴェルドン渓谷が開けて湖の始まるところに橋が架かっていて、ここからヴェルドン渓谷と舟遊びする人達を眺められる。なかなか美しい景色。

サンテ・クロワ湖               ヴェルドン渓谷              ヴェルドン渓谷

 ヴェルドン渓谷はヨーロッパで一番深い渓谷でグランド・キャニオンと呼ばれている。渓谷沿いの上部を走るD19、D71を進むとポン・ド・ラルツビィに到る。谷底までは600mくらいあるという。水彩スケッチはこれを描いた。橋の近くにメスラ展望台があり、谷底をのぞき見ることが出来る。

「ヴェルドン渓谷、ポン・ド・ラルツビィ」 F0 水彩           メスラ展望台からの警告見下ろし

トリガンス

  D90を進んでトリガンスのルーテ・デュ・シャトーにチェックイン。

 ホテルはトリガンスの小さな村の一番奥の小高い岩山のてっぺんに建つトリガンス城を利用した古城ホテル。城は修道士たちの話では9世紀に、言い伝えでは11世紀後半に建てられたとのこと。食堂やラウンジとして使われている部分の石積みアーチの天井は低く洞窟にいるようだが落ち着いたいい雰囲気。中世の武器などが随所に飾られている。料理はなかなか美味しかった。

食堂                       ワイン                    突出し
前菜                       前菜                  食事を楽しむ
蓋を開けるとメインディッシュが          肉料理                    肉料理
デザート                  ラウンジ              上:食堂、下:ラウンジ

 

つづく