旅の絵日記:2012年フランス 10

10.十日目(7月15日(日)、アヌシー、セイセル、パリCDG空港

十日目旅程:アヌシー→セイセル→パリCDG空港

アヌシー

 アヌシーはスイス国境に近い町でジュネーヴから南に40km、夏は避暑地、冬はスキーリゾートとして人気がある。

 朝食を済ませ旧市街の観光に出かける。ホテルを出てすぐアヌシー駅の線路わきの通りを進む。泊まったホテルは線路をまたぐ様に建っており、奥に停車中の列車が見える。

アヌシー中心部地図                      ノヴォテル・アヌシー・セントレ・アトリア

 ホテルを過ぎたところで左折して郵便局通りを進む。細い運河があるが、川岸には花が飾られて美しい。道路脇には露店が並んでいる。旧市街のマルシェ(市場)は火・金・日曜日に開かれるとのことで、丁度日曜日で開かれていた。

運河                   郵便局通りの露店                プラミー館?

 プラミー館の前で左折してJ.J.ルソー通りを進む。しばらく行くと左手にJ.J.ルソーが住んでいた家があり、柱型にその旨の表示のある石板が取り付けられている。

J.J.ルソー通り           J.J.ルソーが住んでいた表示           J.J.ルソーが住んでいた家

 そのすぐ先にサン・ピエール大聖堂がある。1535年建築のゴシック様式の聖堂で薔薇窓の下にあるパイプオルガンがちょっと変わっている。パ・ド・リルに出るところで右折するとすぐ運河に出る。

サン・ピエール大聖堂            大聖堂身廊                 ステンドグラス
薔薇窓とパイプオルガン           薔薇窓                    パ・ド・リル   

 ティウー運河沿いには12世紀の家々が密集し中世の面影を残しており、「フランスのヴェニス」と称される。パ・ド・リルの橋から下流側を眺めるとカラフルな家々が建ち並び感動する。パステル画はこの情景を描いた。上流側右手にはパレ・ド・リルがある。1132年にジュネーヴ伯爵の宮殿として建てられたもので、その後牢獄や裁判所として使われ、現在は歴史博物館となっている。

アヌシーティーウ運河」 F10 パステル                        パレ・ド・リル

 運河沿いに上流に向かって進むとサン・フランソワ教会前に出る。1614年建造のバロック様式の教会。ここで橋を渡って対岸を進むと大通りに出る。目の前に遊覧船乗り場が見える。橋を渡るとヨーロッパ公園。道路の向かいにはサン・フランソワ教会とサン・モーリス教会が並んで見える。サン・モーリス教会は15~16世紀にかけてアヌシーの中心的な役割を果たした旧ドメニコ教会。

中央:パレ・ド・リル            ティーウ運河             サン・フランソワ教会
サン・フランソワ教会身廊       遊覧船乗り場      サン・フランソワ教会とサン・モーリス教会

 ヨーロッパ公園はアヌシー湖畔の湿地帯に造られたイギリス式公園。公園の入り口近くにハンニバルのアルプス越えをかたどった植物造形がある、ほかにも公園内には、牛に多くのアーティストたちが装飾を凝らしたカウ・カウやスキー板で囲った造形などが見られる。

 遊覧船越しに振り返るとアヌシー城が見えた。小高い丘の上にジュネーヴ伯爵によって1219年に建造されたもの。16世紀まで歴代領主の住居として使用され、その後、軍隊の兵舎としての役割を経て、現在は湖観測所と郷土博物館となっている。

ヨーロッパ公園の植物造形         カウ・カウ                正面奥:アヌシー
アヌシー湖                  スキー板の造形                「愛の橋」

 ヨーロッパ公園の湖畔をぐるっと回ると「愛の橋」に出る。恋人たちのデート・スポットとして有名で、1907年に木製から現在の鉄製にかけ替えられた。「愛の橋」を渡るとシャン・ド・マルス公園。「アヌシー国際アニメーション映画祭」の上映会場となる場所だそうだ。

 「愛の橋」の下を流れるヴァッセ運河沿いに進む。運河の突き当りは観光案内所のある劇場前のリベラシオン広場だがそこまで行かず、ネオ・クラシカル様式の市庁舎前広場に寄った後、運河が折れているところで道路を渡り旧市街へ。

ヴァッセ運河               シャン・ド・マルス公園                市庁舎

 この辺り、セセッション様式の建物が目に付く。細い運河の先にサン・モーリス教会が見えてくる。最初に見た運河は詳しい地図で見るとサン・モーリス教会の下を潜ってその先まで続いているようだ。

セセッション様式の建物         セセッション様式の建物        正面:サン・モーリス教会

 運河沿いのサン・ドミニコ(サン・モーリス教会の前身)通りを進み、サン・モーリス教会、サン・フランソワ教会の前を過ぎて橋を渡り、パレ・ド・リル脇の運河沿いの道を進む。振り返ると運河の正面にサン・フランソワ教会の正面が見えた。突き当たって左折するとすぐアーケードが並ぶサント・クレール通り。露店が並び賑わっていた。土産にチーズを買う。

パレ・ド・リル脇の運河         サント・クレール通りの泉         サント・クレール通り

 郵便局通りに連なる共和国通りで右折。ここも露店が続く。古本の店で孫への土産に絵本を買う。セセッション様式の扉など写真を撮りながらホテルに戻り出発。

この店でチーズを買った          土産に絵本を買う              セセッションの扉

 アヌシー湖の北岸をドライブ。アヌシー湖はヨーロッパで最も透明度の高い湖として知られ「サヴォワの宝石」と称えられている。南の方を眺めるとアヌシー城が良く見えた。途中で引き返し、D16、D991経由でセイセルに向かう。

アヌシー湖、中央左手:アヌシー城                              アヌシー

セイセル

 セイセルはアヌシーの西、ローヌ川沿いにある小さな町でセイセルワインの産地として知られる。セイセルワインの7割は辛口の白ワイン。

 12時30分川沿いの駐車場に着く。石段を登って町に入る。円塔のある家がある。ここからカラフルな家並みが続くメインストリートが伸びる。

対岸の眺め              石段を登ってセイセルの町へ             円塔のある家

 しばらく行くと泉のある教会広場に出る。この辺りが街の中心。教会脇の道を川に向かって下ると右手に市場がある。

メインストリート               教会               中央:吊り橋、右:市場

 橋は城門のある立派な鉄製の吊り橋。対岸にわたって街を眺めると、吊り橋と教会が印象的。来た道を引き返し、13時出発。

対岸から見た吊り橋と教会         教会広場の泉             メインストリートを戻る

 北へ向かって進み、ディジョンの西側を通過してパリに向かう。

 CDG空港でチェックインを済ませ、パリのシャンゼリゼに出ようかと思ったが、バス便があまりなく、トンボ帰りになるので止めて空港で買い物、軽く夕食を摂る。23時35分離陸。成田空港へ向かう。

 7月16日18時成田空港着。事故で運転見合わせ中だったが、動き出した最初の成田エクスプレスで帰る。さすがに疲れた。

おわりに

 今回も中世の面影を残す小さな町や村を回ったが、いずれもきれいに整備されていて気持ちが良かった。アルビジョワ派の遺跡なども激しい抗争の歴史が偲ばれ興味深かった。南仏のカラフルな町は回るだけで楽しくなるし、一面のラベンダー畑も素晴らしかった。忙しない駆け足の旅だったが異国情緒を満喫できた。