8.八日目(10月18日(金)、シエナ、サン・ジミニャーノ

シエナ
朝食後8時40分に市街観光に出かける。昨日と同じ道を通り、ドウオーモの方に折れずにチッタ通りに直進すると右側にキージ・サラチーニ宮が建っている。アーケードを潜ると中庭に出る。井戸があり、中庭に面した回廊はなかなかきれい。現在はキジアーナ音楽院となっている。






チッタ通りを進みカンポ広場に出る。広場の中央、プップリコ宮殿の真向かいにあるガイアの泉はヤコポ・デッラ・クエルチャの設計。マンジャの塔とその下の広場の礼拝堂を抱えてプップリコ宮殿が建っている。13世紀末から14世紀前半に建てられたゴシック様式の公共建築の代表例として名高いもので、現在は1階は市庁舎、2階は市立美術館となっている。



市立美術館を見学した後、マンジャ塔に上る。眼下にカンポ広場が広がり、市街とトスカーナの風景が一望できる。西方向を見ると眼下にカンポ広場とドウオーモが見え、少し右にこれから行くサン・ドメニコ教会がある。北方向には手前に大学、その向こうにサンタ・マリア・ディ・プロヴェンザーノ教会、その右奥にサン・フランチェスコ教会が見える。東南方向にはメルカト広場が見える。






カンポ広場を出てパンキ・ディ・ソアラ通りを進むと右手に商人のロッジアがある。さらに進むとサリンベーニ広場に出る。正面にサリンベーニ宮、左にタンフッチ宮、右にスパノッキ宮が広場を囲んで建っている。



ここからマッテオッティ広場を経てサン・ドメニコ教会へ。ドウオーモが谷越しによく見える。中には入らずドウオーモに戻り、ドウオーモ付属美術館を見学する。ドウオーモ付属美術館は14世紀に計画された新ドウオーモの名残で、大きなアーチは展望台となっており「パノラマ」と呼ばれている。狭い階段を上り下りする関係で交通整理がされている。水彩スケッチは「パノラマ」からのカンポ広場とプップリコ宮殿を望む風景を描いた。町の中心部を回っただけだが次の関係でここまでとしてホテルに戻り、13時20分出発。SR2経由でサン・ジミニャーノへ向かう。





サン・ジミニャーノ
美しい塔の立ち並ぶ中世の面影を色濃く残した町で世界遺産。
サン・ジミニャーノに塔が競って建てられるほど栄えたのは、ローマとトスカーナ地方を結ぶ交易路にあったため。数々の塔は都市内の権力争いの名残であり、最も富を持つものが最も高い塔を建てた。最も多い時には72の塔が建っていたが、多くは取り壊され、現在残っているのは14のみ。
14時30分マルティーリ・ディ・モンテマッジョ広場近くの城壁脇の駐車場に着く。サン・ジョヴァンニ門から入ってメインストリートのサン・ジョヴァンニ通りを進むとベッチのアーチ前に出る。左手のクエルセッキオ通りはクエルセッキオ門に通じている。






ベッチのアーチを潜るとチステルナ広場に出る。1237年に造られた井戸がある。チステルナとは井戸の意味。広場は三角形をしており、先端はカステッロ通りに通じている。水彩スケッチは井戸を入れて広場を描いた。





チステルナ広場の北西隅から続く形でドウオーモ広場がある。広場に面してドウオーモ、ポポロ宮殿、ポデスタ宮殿、7つの塔が建っている。
ドウオーモは1148年建造のロマネスク様式。主聖堂と祭壇の二つのエリアに分かれており、祭壇は15世紀に建てられたもの。建物正面は19世紀に改装されている。内部は壁一面のフレスコ画で飾られている。
ポポロ宮は13世紀終盤に建てられたもので市庁舎として使用されている。3階は市立美術館となっている。ポポロ宮の脇にある1311年建造のグロッサ塔は町で一番高く54mある。



ポデスタ宮殿は執政官宮殿として13世紀前半に建てられたもので付属の塔はロニヨーザ(厄介者)とあだ名され高さが51mもある。隣の塔はキージ塔。
広場の北にはサルヴィッチの塔と呼ばれる双子の塔が建っている。



グロッサ塔に上ると360度、市街やトスカーナの風景が一望できる。南方向にはサン・ジョヴァンニ通りが伸びている。西方向には1355年に造られたモンテスタフォッリ要塞跡、北方向には奥にサンタゴスティーノ教会、東方向には眼下にドウオーモ広場とポデスタ宮、その右にチステルナ広場が見下ろせる。






グロッサ塔から降りて市立美術館を鑑賞し出てくると回廊があり、ポポロ宮の中庭に下りる。ドウオーモ脇の通路を潜るとドウオーモ南脇の広場に出る。回廊があり、絵画などで飾られている。






ドウオーモ北脇の広場に回るとアコーディオンを演奏している人がいた。振り返るとサルヴィッチの双子塔やポデスタ宮の塔が林立し賑やか。



ポデスタ宮とサルヴィッチの塔の間のサン・マッテオ通りを進み、サンタゴスティーノ教会へ行く。サンタゴスティーノ広場入り口右手にサン・ピエトロ教会が建っている。



広場の突き当り北東隅に建っているのがサンタゴスティーノ教会で12世紀建造のロマネスク様式。内部は単身廊の簡素なもの。修道院の回廊を見た後、元来た道を戻る。帰り道、チステルナ広場で指人形をやっていた。






SP1/SP69、SP60、SP63、SP4、SP65、SP26、SP11、SP26、SP64、SP11、A12/E80、A15経由でラ・スペティアを目指す。
険しい未舗装の山道を辿ってラ・スペティアのヴィル・レライに着く。眼下にイタリア海軍最大の軍港スペティアの港が広がる。
ホテルの食堂で夕食を摂る。









(つづく)