2022年11月、瀬戸内国際芸術祭2022 2

2.二日目(2022年11月3日(木、文化の日))

田浦

 8時35分ホテル出発。9時、田浦の岬の分教場に着く。「二十四の瞳」のモデルとなった分教場。中を見学。その先を進み9時15分、二十四の瞳映画村の駐車場に到着。船着き場にsd33 愛のボラード:清水久和、2016年:巨大なボラード(船を係留するための岸壁にある柱)を設置。力強くて無表情で、ナンセンスナ立体作品。

小豆島二日目行程図              田浦地図                   岬の分教場
二十四の瞳映画村駐車場            sd33                     映画村風景

 二十四の瞳映画村に入る。映画のロケに使ったオープンセットが残されている。昭和初期の懐かしい風景を見て回る。その中の1軒にsd32 漁師の夢:入り江早耶、2019年:架空のの夢の世界。漁師が収集した魚の絵や魚拓を展示。10時出発。

天満宮から見た映画村全景         二十四の瞳像と松竹座                  sd32
sd32                   岬の分教場セット                 キネマの庵
町並みのセット             海水の生簀になっている                   鯛

坂手

 坂手の駐車場に着く。長い坂道を上るとsd51 小豆島ハウスプロジェクト:新建築社+SUNAKI、2022年:空家の改修工事を一旦停止し、展覧会やイベントを行う建築にまつわるプロジェクト。10時30分出発、坂手港に向かう。

坂手地図                     sd51                      sd51
sd51                      sd51                       sd51
sd51                  坂手港乗船ターミナル                   sd30

 10時45分、坂手港に着く。波止場の先端にあるsd30 スターアンガーヤノベケンジ、2013年:港の灯台跡地に巨大な立体作品を設置。さんぜんと光輝く球体に水の神様である龍が鎮座。球体はゆっくり回転している。山に登る道を進み、10時55分sd31 アンガー・フロム・ザ・ボトム、美井戸神社ビートたけし×ヤノベケンジ、2013年:古井戸の底に潜む地霊的な化け物が、人々を脅かすという設定の彫刻で定時に水を吐き出す。駐車場に戻り、11時10分出発。

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醤の郷

 11時20分、醤の郷の駐車場に着く。小豆島での醤油造りは400年以上の歴史があり品質の良さで島の特産品になっており、この辺りは醤油醸造所が集中してある。目の前にsd24 大きな曲面のある小屋:島田陽、2013年:白くて柔らかな曲面と屋根瓦による公衆トイレ。

醤の郷地図                    sd24                  ヤマサン醤油

 少し先に進むと川の流れがあり石橋がかかっている。ここが馬木散策路の入り口。左手にヤマサン醤油があり、醤油蔵、醤油醸造工場、塩田家住宅が近代化産業遺産。続いて正金醤油の諸味蔵があり築130年の醤の郷で最も古い蔵で近代化産業遺産。

馬木散策路入り口、左:ヤマサン醤油      正金醤油諸味蔵                   sd25

 その先を進むとsd25 オリーブのリーゼント:清水久和、2013年:オリーブ畑にヘアスタイルがリーゼントで、オリーブに似た顔かたちの立体作品を設置。実は無人販売の屋台でもあり、くぼんだ部分には野菜や果物が置ける仕組み。

 少し先で右折してしばらく行き、正金醤油の建物の横を進んで左折するとすぐにsd26 Umaki camp:ドット・アーキテクツ、2013年:誰でも自由に使えるキッチンやスタジオがある施設を運営。島の人たちと観光客の交流施設。

正金醤油                    sd26          sd26、竹筋コンクリートのシェル
sd26                      sd27、露地                    sd27

 西に進み、大通りに出て右折するとsd27 ジョルジュ・ギャラリー:2019年:写真家ジョルジュ・ルースを招き、古民家に幾何学模様を描くプロジェクトを実施、制作現場を残した。併設の「コヒラカフェ」では栩山隆、片山雅の作品を展示。裏から出たところにあるsd27 醤の郷現代美術館:2022年:93年前に竣工した島で最初の鉄筋コンクリートの建築がそのままの形で現代美術館に生まれ変わった。時間が無いので中に入らず引き返す。駐車場の前の店で土産に醤油、ポン酢などを買う。12時25分出発。

sd27                 sd27、醤の郷現代美術館            sd27、コヒラカフェ

草壁港

 12時35分草壁港の駐車場に着く。港の浮きプラットフォームの上にsd50 たどり着く向こう岸:向阳、2022年:中国で廃棄された家具や建具を集めて修復して組み合わせ、さらに中国の伝統技法で連結することで瀬戸内海に浮かぶ木造構造体を作る。作家の記憶と現代社会の分断や混乱が相まって表現されている。外観のアーチ型の構造は、舟の船体構造を逆さまにしたもの。

 駐車場そばの緑地にsd21石の島の石:中山英之建築設計事務所、2016年:小豆島の花崗岩を主材料とするコンクリートで公共トイレを施工。13時出発。

草壁港地図                   sd50                       sd21
sd50                      sd50                       sd21

小豆島オリーブ公園

 13時5分小豆島オリーブ公園のオリーブ記念館裏の駐車所に着く。小豆島町立のオリーブをテーマにしたテーマパーク。明治時代に日本で初めてオリーブ栽培に成功したオリーブ園に隣接して建設された。イベント広場に降り、右方向に進むとミロス島から贈られたギリシャ風車がある。箒にまたがり飛び上がって写真を撮っている人が大勢いる。

小豆島オリーブ公園、イベント広場        イベント広場               ギリシャ風車

 さらに右手に進むと最初に栽培されたオリーブの原木がある。その先を進むとイサム・ノグチの広場があり、その下に道の駅「小豆島オリーブ公園」がある。美也子はここで採れたというオリーブ油などを土産に買う。13時45分出発。作品群のある三都半島を目指す。

オリーブの原木            イサム・ノグチの遊具広場        イサク・ノグチの遊具広場

三都半島

 14時、sd10 境界線の庭:土井満治、2016,2019年:の駐車場に着く。山と海の間の土地に様々な造形の石彫作品群を配置。山から人の生活圏へ、さらに海へと移動する土の移動と、神秘の自然と世俗などの境界と越境を意識させることを 狙った作品。

三都半島地図                   sd10                      sd10

 半島の括れた部分を横断する道路の峠を越して反対側の海が見えるあたりの駐車場に14時10分に着く。sd46 ダイダラウルトラボウ:伊東敏光∔広島市立大芸術学部有志、2022年:拡張工事に伴い取り払われた神浦地区の石垣、厳島神社に関連した廃船のほか、瀬戸内海の各所で集めた流木を組み合わせて、大宇宙や自然界と人間社会をつなぐためのアイコンとして巨人を作る。海を眺めながらしばし休憩する姿。傍らに同じ格好で写真撮影するための床が用意されている。

sd46                       sd46                      sd46

 道路を隔ててすぐ隣にsd48 船物語:フリオ・ゴヤ、2022年:漁業者の高齢化によって使われなくなった船を持ち主から譲り受け、作品化する。丸太や流木、漁具などを使って椅子やテーブルが設えられ、海での役目を終えた船が陸で休憩所としての役目を見出す。14時40分出発。

sd48                      sd48                       sd48

 14時30分、神浦コミュニティセンターの駐車場に着く。芸術祭作品ではないが、鉄の彫刻「4本足の島:小山絢女」がある。小豆島の形が牛に似ているのを造形したと思われる。少し歩いて海岸通りから入るとsd49 Utopia DungeonーCommand from Utopiaー田中圭介、2022年:地域の木造民家を架空の彫刻家のアトリエとして作品化。アトリエの主人は木の人形であり、成熟した社会の実現のために芸術行為として人形を作っている。人形は作者自身、瀬戸内の木々や人々がモチーフになっている。駐車場に戻り先に進む。

 通りがかりにsd47 ポップストップ:チャールズ・ウオーゼン、2022年:U字の構造をした神浦西のバス停の壁に、近くの海を想起させる魚の鱗をモチーフにマリンブルーでペイントすることで、物質がアートに転嫁したレディメイド、あるいは古代彫刻のようにも感じられる作品を作る。

「4本足の島」                  sd49                       sd49
sd49                       sd49                      sd47

 14時45分、その少し先の駐車場に着く。その向かいの海岸縁の開けた場所にsd16 潮耳荘:伊東敏光+康夏奈、広島市立大芸術学部有志、2016年:ホルン型の収音装置が、古材を重ねて作られた建物の内部に波や船の音を響き渡らせる。耳が悪いせいもあるが音はほとんど聞こえなかった。

sd16                      sd16                       sd16

 その先を進み15時、海辺の駐車場に着く。sd19 山声洞:伊東敏光∔康夏奈、広島市立芸術大有志、2019年:採石場跡地に埋め込まれた高さ5mの鉄製彫刻作品。内部は穴が穿たれ外部の耳形の彫刻とつながっていて鳥や風など森が生み出す音をキャッチする。地下へ階段を降りなければならないのでパス。

sd19                        sd19                     sd45

 15時10分、先の駐車場に戻り、少し坂を上るとsd45 ヒトクサヤドカリ:尾身大輔、2022年:家を貝殻に見立てた巨大なヤドカリの木彫。コケ、木の枝などで、島々や山の連なりを想像させる。題名はヤドカリが繁殖した後の穴から人間の男女が生まれたという琉球神話を踏まえて、人間の起源としてのヤドカリと人を繁茂する草に喩えた「人草」という言葉を合わせたもの。

 神浦のバス停を過ぎてそのまま海岸沿いを進み、15時20分に駐車場に着く。sd11 自然の目「大地から」:フリオ・ゴヤ、2019年:古民家の敷地内にある2本のイブキの木を利用したツリーハウス。島々の雄大な景色と豊かな自然を眺望できる。15時30分出発。寒霞渓を目指す。

sd45                        sd11                     sd11

寒霞渓

 寒霞渓スカイラインを進み四望頂の駐車場に着く。展望台に上った後、ハイキングコースの山道を登る。寒霞渓は200万年の歳月が作り出した日本屈指の渓谷。所々紅葉が始まっている。かなり歩くとsd54 空の玉/寒霞渓:青木野枝、2022年:直径約4mの鉄の球体で見晴らし台を作る。円形の輪を組み合わせた球体は風景に溶け込んでいる。寒霞渓ロープウエー駅に出たほうが近いとのことでそちらへ向かい、仁に車を回してもらう。16時45分、ロープウエー山頂駅出発。山を下りる途中、16時50分、四方指展望台に寄る。一路池田港を目指す。

寒霞渓地図               寒霞渓スカイライン        寒霞渓、ロープウエーが見える
sd54                 ロープウエー山頂駅近く             四方指展望台から

高松

 17時29分、池田港に到着。18時出航、高松港に19時に着く。ホテル・パールガーデンにチェックイン。宿代は旅行支援クーポン3120円/人引き。ほかに地域クーポン3000円/人が出たので夕食の支払いの一部とする。ホテルの食堂で夕食。私は瀬戸内懐石、美也子は牛鍋定食に刺身を追加。

瀬戸内懐石、先付け、刺身、小鉢は突出し         天ぷら                  煮物
豚肉の陶板焼き                   盛うどん                   果物
美也子追加の刺身                牛鍋定食                     牛鍋