5月4日に俣野別邸庭園へ行ってきた。
俣野別邸庭園は横浜市と藤沢市の境界近くの戸塚区東俣野町にある。境川の河岸段丘を利用した高低差のある地形が特徴。住友家の別邸として昭和14年に建てられたハーフティンバーの和洋折衷住宅で平成16年に国の重要文化財に指定されていたが、その後焼失して指定解除された。現在の建物は横浜市が資料を基に復元したもの。
国道一号線の藤沢バイパスに入ってすぐの所で右折してしばらく行くと左手に駐車場入り口がある。15時30分頃駐車場に着く。正門は藤沢バイパスからすぐの所にあるようだが、駐車場は裏口ともいえる北入り口にある。
森の中の道を進み右手にある俣野別邸への長い階段を上る。結構きつい。階段を上がり切ると俣野別邸の建物が建っている。
2階の屋根から片流れのポーチから入ると玄関でそう広くはない。その奥の控室に受付があってここから上がる。控室から入った所が階段のあるホールで順路はここから上がる。私は廊下の突き当りにあるエレヴェータを使って2階へ上がる。
階段を上がった所の右手に展示室1~3が並んでいる。展示室2は元は書斎だったのかなと思われつ設え。その奥の展示室1は入り口から半円形の先端部にかけて連窓の明るく眺望の良い展望室のような部屋。
2階の廊下は出窓のような形でアプローチに向けて開いた連 窓で、天井は屋根に合わせて化粧梁表しの片流れになっている。廊下に面して展示室4がある。バルコニーのある洋室だが片側に上げ床の畳敷きの部分があり、付け床が付いている。隣にバス・トイレがあり、多分寝室だったのだろう。バス・トイレはタイル張りの真っ白な部屋。浴槽の立ち上がりが非常に高くまたいで入るのは一苦労だろう。浴槽の周囲は湯が溢れた場合を想定してか溝になっている。
1階へ下りて南棟に入ると、庭に面して明るくゆったりした広縁が伸びている。広縁に面して襖で仕切られた和室1と洋室が並んでおり、多分続き部屋として利用することを考えていたのだろう。現在は洋室は貸し会議室として利用されている。
広縁の突き当り、サンルーム2前を左に曲がった奥が展示室5.ガラスブロックと嵌め殺し窓があるだけで、本棚が造りつけられていて、どう言う用途の部屋だったのかよく分からない。その奥の部屋も同様。
引き返して左手に屋根もガラスの本格的なサンルーム2があり、その前の空間には物を飾れる窪みが設えられている。広縁の前は睡蓮のプールがあり、連窓を通して広い芝生と主屋棟が眺められる。
広縁の始まり辺りで食堂に通じる入口があり、食堂から居間へ連なる広い空間が眺められる。主屋棟に戻り居間に入る。赤い丸柱がアクセントになっている。居間の奥はサンルーム1になっているが、サンルーム2と違って2階が乗っているので完全なサンルームとはなっていない。
居間に連なる食堂の板張り天井には草花などの彫刻が施され、食卓を照らす照明器具も凝ったデザイン。食堂前は広いテラスになっている。食堂、居間、テラスは喫茶室「ひだまりガーデン」として利用されている。
居間を出てホールへ戻り、控室、玄関を内側から見る。控室は広いコーナー窓があって明るく、天井は化粧梁表しになっていて昭和モダニズムを感じさせる。玄関の天井は格天井で、採光は隅に寄せた床から天井までのステンドグラスのみで落ち着いてた感じ。
引き返して事務棟へ向かうと、壺庭に面して和室2・3があり、その奥に唯一焼失を免れた書庫がある。和室の縁側廊下に通じる通用口が出口で、ここから出る。そのため、入り口から靴を入れた袋を下げて内部の見学をすることになっている。
外に出てしばらく進むと、広い芝庭に出る。Y字形プランの建物のほぼ全容が眺められる。道路脇にベンチが据えられており、ゆっくり一休みするには絶好の眺めだが、閉園時間が迫っているので先を急ぐ。
もみじ谷を下っていくと南門と駐車場のある北入り口を結ぶ外苑内のメイン道路に出る。ここを左折し、しばらくして山野草の小路に入る。二輪草などが咲いている。果樹園を通り過ぎると芝生広場に出る。
花はつつじなども終わっており、大したものが無いのは残念。広場の一番奥に図書コーナーが併設された休憩所がある。
四季の花園を通って進むと石楠花園があり、ここは未だ花が残っていた。メインの道路を通って駐車場に戻る。17時閉園園ぎりぎりに出発。
国道一号線も原宿交差点辺りで多少混んでいたが、後は空いていて順調に帰れた。
(終わり)