5.五日目(9月18日))、トウロギール、オミシュ、ストン、ツアヴタット、ドウブロヴニク
トウロギール
トウロギールは周りを城壁で囲まれた小さな島で、本土とチヴォ島とは橋で結ばれている。町の起源はギリシア時代にまで遡り、狭い島内には様々な時代にわたる教会や歴史的建造物がひしめいている。
朝食前に散歩。ホテルの前に停泊中の遊覧船を見ながら海岸通りを東に進み、南門を過ぎるとチヴォ橋に出る。橋から眺める古い建物群はなかなか趣がある。市庁舎と現在はピナコテーカ(絵画館)になっている聖イヴァン教会の間を抜けるとイヴァン・パヴァオ・ドウルギ広場。ここから南に進み南門から出て海岸通りをホテルに戻る。
海岸通りに面したテラスで朝食を済ませ旧市街の観光に出かける。ホテル脇の細い路地をたどって昨夜夕食を摂った「マリヤナ」の前を通って町の中心イヴァン・パヴァオ・ドウルギ広場に出る。
広場の北側にある聖ロヴロ大聖堂はクロアチアを代表する 教会で世界遺産。13世紀に建設が開始されたが完成したのは17世紀になってから。そのためさまざまな建築様式が組み合わさっている。ロマネスク様式の門は13世紀に造られたクロアチア中世美術の傑作。広場の南側には時計塔、東側には市役所が面している。
旧市街の路地は何処も狭いが古い町並みで趣がある。北門を出て緑地帯のある広い道路を西に進むと芝生の広場に出、前方に聖マルコの砦、左手にカメルレンゴの砦が見えてくる。カメルレンゴの砦はまだ開いていないので西側に回るとナポレオンによる解放記念碑がある。
カメルレンゴの砦は四隅に塔を持つ扁形四角形。15世紀にヴェネツィア人によってそれまであった塔を改築して建てられた。1420年に始まるヴェネツィア人のダルマチア支配に対して、トウロギール市民はしばしば反乱を起こしており、ヴェネツィア人にとってこの砦外敵からだけでなく、市民から身を守るためのものでもあった。砦からは芝生の広場を隔てて市街を見下ろすことができる。
海岸通りを東に進み、ドミニコ会修道院の前を過ぎてしばらく行くと12世紀の建物を改修したホテルに着く。ホテルと路地を隔てた西隣には趣のある古い建物の学校があり、丁度登校時で子供たちで賑わっていた。
101時10分ホテル出発。
オミシュ
オミシュの手前で渋滞したが橋の袂の駐車場に11時40分着。オミシュはツエティナ川河口に位置するリゾート地。町には中世に建てられた城塞が残り、細い路地が入り組んだ旧市街は中世の雰囲気。メインの通りを進むと小さな教会があり教会広場はテラス席で埋まっている。
あと一本狭い路地が並行して走るだけのごく小さな町。国道沿い沿いの街路樹のある広い歩道には露店が出ていて亜矢さんは蜂蜜を買う。12時30分出発。
15時50分国境を越えてボスニア・ヘルツゴヴィナに入り15時10分再びクロアチアに入る。この間ほんのわずかな距離ボスニア・ヘルツゴヴィナがアドリア海に面しており、紛争の影響で通過できないのではないかとの噂があって心配したが問題なく通過できてよかった。
ストン
15時30分ストン着。ストンはドウブロヴニクの西北35km、コルチュラ島と向かい合う細長いペリェシャツ半島の付け根にある。隣町マリ・ストンへと続く長大な城壁で有名。イギリスにあるハドリアヌスの城壁に次ぐヨーロッパ第二位の長さを誇る。14~16世紀にかけて建造された。当時、この地を領有していたラグーサ共和国(ドウブロヴニク)にとって本土とペリェシャツ半島をつなぐ要衝だったことに加え、この町にある塩田の塩が貴重な輸出品だったためとのこと。
駐車場に着くと目の前の山に城壁が延々と続く。逆を見ると大要塞。駐車場にある案内所で資料をもらい大要塞の方に進む。工事中らしく仮囲いがある。川が堀のようになっている。大要塞の西南には塩田が広がる。今も中世のころと同じ製法で製塩されているとのこと。堀に架かる石橋を渡り町の門❼を潜るとクラリュ・トミスラヴァ広場。聖ヴラホ教会❺、教区主任司祭館❽、町役場❻などが取り囲む。聖ヴラホ教会は簡素なもの。その続きの小広場にはカフェや土産物屋が並ぶ。塩の店で食卓用の容器に入った塩を買う。
その先のシロカ通りがメインの通りのようで所々テラス席が並ぶ。3本目の通りを右に進むと城壁の登り口に出る。城壁に登れば街を一望できるのだろうがパス。駐車場に面するあたりは城壁が取り払われているが土台の部分が残っているので昔の様子が分かる。16時15分出発。
途中、マリ・ストンの町には寄らなかったが、道の脇に車を止めて有名なストンのカキ養殖の様子を見る。深く切り込んだ入り江で波の静かな湖のような美しい風景の中に養殖筏が並んでいる。
ツアヴタット
ドウブロヴニクを通り抜けて17時5分にツアヴタットの駐車場に着く。ツアヴタットの旧市街はラト半島の南面ティハ湾沿いに広がる港町だが、紀元前6世紀にはギリシア人によって既に都市が築かれていた歴史の古い町。現在はリーゾートとして人気がある。
半島の付け根のところにある案内所で資料をもらい、まず港に行く。波の静かな湾で透き通った水底にはウニがいっぱいいる。ここからは市街の様子がよく見える。来るとき下を通ってきた建物は市庁舎⓴のポーチらしい。旧市街に戻り海岸通りを歩く。聖ニコラス教会⓭を過ぎると歩道の上にアーケードが架かり、ずらりとテラス席が並ぶ。時間がないので引き返し18時30分出発。
ドウブロヴニク
19時5分ドウブロヴニク旧市街から西方3kmほどの海岸沿いにあるホテル・ラバドにチェックイン。ホテルの食堂でビュッフェ形式の夕食を摂る。料理はいろいろの種類のものが用意されていて味はまあまあ。
(つづく)