旅の絵日記:2008年ドイツ 7

7.七日目(5月8日(木))、ノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホフ城、エッタール修道院、ベネディクトボイレン修道院、ミッテンヴァルト

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七日目旅程:ノイシュヴァンシュタイン城→リンダーホフ城→エッタール修道院→アイブ湖→ワーゲンブリュヒェ湖→ベネディクトボイレン修道院→ミッテンヴァルト

ノイシュヴァンシュタイン城

 7時からの朝食を済ませ早々に出発。

 シュヴァンガウで予約してあったガイドツアーの切符を買い、シャトルバスでノイシュヴァンシュタイン城へ。マリエン橋の入り口が終点。橋の上は絶好のヴューポイントで、ここからスケッチ。バックの田園や湖が美しい。

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ノイシュヴァンシュタイン城」 F10 パステル         「ノイシュヴァンシュタイン城」 F0 水彩

 橋から歩いて城に着いたのは9時30分。予定の時間が来て入ろうと思ったら、チケットを入れてもゲートが開かない。受付の係員に言ってゲートを通らずに入れてもらう。ヘッドフォンの日本語ガイドを聞きながら見学。内部は撮影禁止で唯一西側のバルコニーからのアルプ湖とホーエンシュヴァンガウ城の眺めを撮影できた。

 ノイシュヴァンシュタイン城バイエルン国王ルートヴィヒ2世が1869~86年にかけて「古いドイツの騎士城の真の姿」を実現すべくロマネスク様式、後期ゴシック様式などの歴史主義、折衷主義に基づいて建設された。要所に鉄骨架構を配したレンガ造で表面を石灰石で仕上げている。基本デザインは画家による見てくれ先行のもの。1886年、一部住める状態になったところでルートヴィヒ2世は住み込んだが、6か月程度で精神病により統治能力なしとして廃位され、翌日シュタルンベルク湖畔を散歩中、謎の死を遂げた。

 王の死後間もなく観光施設として有料で公開され、1890~92年にかけて最低限の工事を続行したが、主塔と礼拝堂の建設は見送られた。今も未完成の部分が多いという。

 現在公開されているのは4・5のみで、ワーグナーの世界を再現した「歌人の間」「控えの間」「王座の間」「グロット」などが見学できる。狂王の名にふさわしい偏執的なものを感じる。

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城の西面                     城門                      中庭

 西のバルコニーから眺められるホーエンシュヴァンガウ城は、父のマクシミリアン2世が、12世紀に建設され廃墟となっていた古城を1832~36年にネオゴシック様式で再建したもの。「ローエングリーン」で有名な白鳥伝説ゆかりの地にちなみ至る所に中世騎士伝説を描いた壁画がある。幼少期をここで過ごしたルートヴィヒ2世が長じた後、ワーグナーの「ローエングリーン」に魅了され、伝説と現実の境界を見失った遠因とされる。

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アルプ湖とホーエンシュヴァンガウ城   ホーエンシュヴァンガウ城               乗合馬車

 売店で孫たちにお土産を買う。帰りは歩いて下ったが、思ったより時間がかからなかった。

 アルプ湖に寄り、早道のためオーストリア領を通ってリンダーホフ城へ向かう。国境で入国審査を受けかなり手間取る。

リンダーホフ城

 1874~78年建造。ルートヴィヒ2世が建設した三つの城の内、唯一完成したもの。ルネッサンス様式の建物で内部はロココ様式の豪華な装飾。

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リンダーホフ城配置図                           「リンダーホフ城」 F0 水彩

 ガイドツアーの時間待ちの間に南側正面の庭園や城の外観を見て回る。ガイドツアーは結構高いが三人だけで日本語の解説があり満足。

 城の内部を見た後、周りの庭を見て回る。北の庭にはカスケードがあるが残念ながら水が流れていない。カスケードの最下段に海神ネプチューンの泉がある。カスケードの上のプールの少し上に緑の音楽パビリオン㉒があり、休憩所になっている。

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南側正面の庭園                 東側の庭園                 東側の庭園
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北側の庭園、カスケード          西側の庭園                緑の音楽パビリオン

 その上から右に進むとグロット㉓があり、ここも日本語の解説があった。ルートヴィヒ2世が「タンホイザー」の世界に浸っていたというが、なかなかすごい。さらに先に進むとムーア風のキオスクがあり一見の価値がある。城館の方に戻ると可愛いチャペルがある。

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カスケードの上から              グロット                    チャペル
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キオスク                            「リンダーホフ城、キオスク」 F0 水彩

エッタール修道院

 リンダーホフ城の近くに1330年神聖ローマ帝国皇帝ルートヴィヒ4世によって創設されたエッタール修道院がある。18世紀にバロック様式に改修された。教会内部は巨大な12角形の空間で、主祭壇の他六つの脇祭壇がある。ロココ様式の装飾が施され、華麗な丸天井がある。

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「エッタール修道院」 F0水彩                                 教会内部
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エッタール修道院、教会              中庭                      中庭

アイブ湖

 15時40分、アイブ湖畔で昼食。ドイツ最高峰ツークシュピッツェの麓にある。山へのロープウエー乗り場の看板になぜか日本語が併記されており横棒が縦になっていたり、カタカナが左右反転していたり珍妙。(写真が小さいのでマウスで左クリックして拡大してください)ロープウエーの発車時間、所要時間等分からないのと高すぎるので山に登るのは止める。

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中央奥がツークシュピッツェ     アイブ湖畔のロープウエー乗り場           牧場のチャペル

ワーゲンブリュヒエ湖

 アイブ湖からの途中、牧場が続く。小さなチャペルは素朴で可愛い。点々と小屋が散在する風景も美しい。ワーゲンブリュヒエ湖に寄る。湖の向こうには雪山が続く。湖畔には種々の小さな花が咲き乱れている。

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牧場の小屋                ワーゲンブリュヒェ湖                  竜胆

ベネディクトボイレン修道院

 ドイツアルプスを望む小さな村ベネディクトボイレンにある739年創立の修道院。          1803年、中世の詩の手写本が発見され、1847年、編纂して「カルミナ・プラーナ」と名付けて出版された。ドイツの作曲家カール・オルフによって作曲されたカンタータが有名。

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「ベネディクトボイレン修道院」 F0水彩                 柱型、窓枠などは絵で描いたもの

 大変大規模な修道院で開放的。建物の主要部の柱型や窓枠は絵で描かれたものだがうまく立体感を出している。村の墓地があるらしく、大勢の人たちがお墓に花を植えていたが、お彼岸の墓参り? 修道院のビアガーデンは盛況だった。

 ヴァルヒェン湖まで行く。暮れなずむ中、湖に映った雪山が美しい。引き返してミッテンヴァルドへ。

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ベネディクトボイレン修道院    ベネディクトボイレン修道院、教会           ヴァルヒェン湖

 ミッテンヴァルドのホテル・アルペンローズにチェックイン。受付はおっかない婆さん。

 食堂は居酒屋の雰囲気で、初めて地元のババリア料理を見た。ダークブラウンのビールも美味しかった。ツィターの演奏があり、美也子がおひねりを渡す。

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ホテルの食堂で              中央奥にツィターの奏者                ビール
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肉団子のスープ       豚肉料理の盛り合わせ      鱒のフライ         フライドポテト

 

(つづく)