旅の絵日記:2008年ドイツ 11

11.十一日目(5月12日(月))、ローテンブルク、ヴァイカースハイム、フォーゲルスブルク、デッテルバッハ、バンベルグ、フィアツェーンハイリンゲン巡礼教会、クルムバッハ、ハーテンスタイン

十一日目旅程:ローテンブルク→ヴァイカースハイム→フォーゲルスブルク→デッテルバッハ→バンベルク→フィアツェーンハイリンゲン巡礼教会→クルムバッハ→ハーテンスタイン

ローテンブルク

「ローテンブルク、祭りの朝」 F10 パステ
「ローテンブルク、マルクス塔とホテル・マルクストウルム」 F0 水彩            ホテルの食堂

 朝食前にマルクス塔とホテルをスケッチ。今日もお祭りに繰り出すのか民族衣装の人が集まりだす。柴山先生にスケッチを見て頂いたら「門の向こうは明るいはずだ」とおっしゃる。陰になっていて暗かったのだがパステルで描いた時は明るめにして門の下と対比を付けた。朝食を済ませ8時40分出発。

ヴァイカースハイム

 9時22分ヴァイカースハイムの駐車場に着く。隣接した街の入り口から入るとすぐにマルクト広場に出る。中央に噴水があり、西側には城の入り口が面している。

ヴァイカースハイムの町の入り口              「ヴァイカースハイム、城前の民家」 F0 水彩
ヴァイカースハイム、マルクト広場             「ヴァイカースハイム城入り口付近」 F0 水彩

 城門を入った外廓は庭園に直接通じている。城はホーエンローエ家の歴史とともに12世紀まで遡るが、16世紀末からの改修によって現在ではルネッサンスバロックロココの各様式が見られる。保存状態もよく、特に騎士の間リッターザールは見事とのことだが、ガイドツアーのみなので時間の関係でパス。

ヴァイカースハイム城配置図      城門を入った所、右手:城館               城館中庭

 中庭を通って庭園に出る。1710年完成の庭園は点在する様々な彫像によりバロック造園の典型例とされている。庭園の先端にあるオランジェリーは1723年の建造。10時45分出発。

バロック庭園                   城館                 オランジェリー
「ヴァイカースハイム城、庭園」 F0 水彩                        オランジェリー

フォーゲルスブルク

 12時15分到着。フォルカッハの町から西側の地域で自然保護区に指定されている。小高い丘の上からフォルカッハの町並みとマイン川の蛇行の素晴らしい景色が眺められる。マイン川流域の斜面は一面の葡萄畑。

「フォーゲルスブルク、葡萄畑とマイン川」 F0 水彩   「フォーゲルスブルク、葡萄畑の祭祀」 F0 水彩

デッテルバッハ

 すぐ近くのデッテルバッハに行き砂の中の聖母マリア巡礼教会を拝観。バロック様式の可愛い教会。近くの木陰ではテラス席で昼食を楽しむ人たちがいた。街角に可愛い祠堂があった。

木陰のテラス席                        「デッテルバッハ、街角の祠堂」 F0 水彩
砂の中の聖母マリア巡礼教会、正面       内陣側                       身廊

バンベルク

 レグニッツ川を望む美しい古都で旧市街は世界遺産神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ2世の時代に宮廷が置かれ、司教都市としても発展した。

 13時55分到着。駐車場を出てレグニッツ川を目指す。街角を観光馬車が行く。真っ直ぐ進むと司教の水車橋に出る。上流方向を見ると旧市庁舎が見える。旧市庁舎は人工の中州に建っており15世紀の建造。外壁の壁画は18世紀に描かれた。司教が市庁舎を建てる土地を市民に売ることを拒否したため、川中に杭を打って人工の中州を作ったとのこと。現在はヨーロッパ最大の個人陶器コレクションのルートヴィヒ陶器博物館として使用されている。

観光馬車                レグニッツ川下流方向   レグニッツ川上流方向、左手:旧市庁舎
バンベルク中心部地図                        「バンベルク、旧市庁舎」 F0 水彩

 上の橋は旧市庁舎を貫いて架かっている。上の橋からかっての司教レジデンツだったガイヤースヴェルト城が見える。

正面:旧市庁舎                     「バンベルク、ガイヤースヴェルト城」 F0 水彩

 橋を渡って先に進むと賑やかな商店街で道の両側にレストランのテラス席が並ぶ。戻ってレグニッツ川に戻るとかっては河岸だったようで古いクレーンなどが残っている。対岸の町並み越しに丘の上の聖ミヒャエル修道院の偉容が眺められる。傍らに「センチュリオン」と名付けられた彫刻が置かれている。

「レグニッツ河畔と聖ミヒャエル・ベネディクト修道院」 F10,パステ

 下の橋を渡って対岸に向かう。橋の中ほどにクニグンデ・フォン・ルクセンブルグの石像が建っている。神聖ローマ皇帝ハインリヒ2世の后で、結婚に際してバンベルグが「贈り物」として贈られた。后は町の発展に尽力し、町の守護聖人とされている。橋の袂の水色のヘラーの家は芸術史の先駆者ジョセフ・ヘラーの生家。

センチュリオン」              ヘラーの家   クニグンデ・フォン・ルクセンブルクの石像

 下の橋を渡って旧市街の一角を巻くように川に戻ると、対岸にかって漁師たちが住んでいた小さな家々が並ぶヴェネツィアと言う地区が眺められる。家の姿が変化に富んでいて面白い。

「レグニッツ河畔と聖ミヒャエル修道院」 F0 水彩       「バンベルク、小ヴェネツィア」 F0 水彩

 ここから急な坂を上ると聖ミヒャエル・ベネディクト修道院。教会は12世紀建造のロマネスク様式で、天井に587の花とハーブを描いたフレスコ画が有名。かって修道院でビール醸造していた施設を活かしてビール醸造博物館がある。修道院裏の広場からはバンベルクの市街が一望に見渡せる。新宮殿と大聖堂の塔が目の前に見える。

聖ミヒャエル・ベネディクト修道院、正面   中庭                       教会身廊
祭壇                    修道院裏の広場             新宮殿と大聖堂の塔

 急な坂道を下って新宮殿の横を抜けると大聖堂の正面に出る。大聖堂はドイツ中世のきわめてすぐれた建築とされる。神聖ローマ皇帝ハインリヒ2世によって1211年に建設開始され、1237年に献堂式が行われた。その後焼失し、修復された。そのためゴシック様式が主流だが、ロマネスク様式の窓も見られる。大聖堂横の大聖堂広場は新宮殿、旧宮殿に囲まれている。

大聖堂正面              大聖堂、広場側         大聖堂広場、中央から右手は旧宮殿

 旧宮殿は1571~76年建設のドイツを代表するルネッサンス様式の建築。かっての皇帝と司教の王宮で、昔は大聖堂と直結していた。中庭に面してゴシック様式の木造回廊が巡っている。現在は市立歴史博物館となっている。

旧宮殿、大聖堂広場側            旧宮殿、中庭                 旧宮殿、中庭

 新宮殿は1602年に現在の西の翼廊2つがルネッサンス様式で建造され、1695~1704年に大聖堂広場に面した東の翼廊2つがバロック様式で増築された。1705年造園の付属のバラ園が有名。15時45分出発。

新宮殿と大聖堂広場                新宮殿                新宮殿、バラ園

フィアツェーンハイリンゲン巡礼教会

 バンベルク近郊にある教会に16時20分到着。1743~72年建設でドイツバロックの頂点とされる。平面は奥行方向に3つの楕円が並び、これに4つの円を配し、曲面の使用によって全体を一体とする構成。16時50分出発。

 

「フィアツェーンハイリンゲン巡礼教会」 F0 水彩    フィアツェーンハイリンゲン巡礼教会、内陣側から

クルムバッハ

 17時20分プラッセンブルク城に到着。標高116mの山上に12世紀に要塞都市て建設されたのが始まり。ホーエンツォレルン家が統治を始めた1340年以降、何度も増改築され、現在のものはルネッサンス様式。20世紀に修復され、3つの博物館として利用されている。城館の中庭はシェーナホフ(美しい中庭)と名付けられている。白い女の幽霊が出る城として有名で悲劇の伝説がある。城からはクルムバッハの町が一望に見渡せる。18時25分出発。

「クルムバッハ、町並みとプラッセンブルク城」 F0 水彩            プラッセンブルク城配置図
ラッセンブルク城城壁              城門                      城館
「プラッセンブルク城、シェーナホフ(美しい中庭)」 F0 水彩               シェーナホフ
クルムバッハの町並み         クルムバッハのマルクト広場?                城門

 途中ガソリンスタンドで支払う段になってクレジットカードがないことに気付く。そういえばホテルで返してもらわなかったような気がする。
 ハーテンスタインのホテル・シュロス・ヴォルフスブルンにチェックイン。受付の女性に事情を話してローテンブルクのホテルに問い合わせてもらう。電話に出たら先方はクレジットカードを返し忘れて大変申し訳なく、心配してどうすればよいかというので横浜の自宅へ書留で返送してほしいと頼む。カードの所在がはっきりしてほっとした。
 ホテルの食堂で夕食。なかなか美味しかった。

前菜             アスパラガス          肉料理           チョコレート

 

(つづく)